306発目 小さい男の話。


ガキデカ

酒の席で羽目を外して

素っ裸になるヤツは

最近では少ないだろう。

 

私の知り合いに

確実に脱ぐ男がいる。

 

彼のすごいのは

例えば会社の上役が

いたりする酒席において

『いいか今日は脱ぐなよ。』

と注意しても

『マジっすか?いいんすか?』

と返してくるところだ。

 

私の注意を『フリ』だと思っている。

 

そして脱ぐ。

 

ただ、上役も注意しないし

逆に喜んだりするもんだから

許されている。

 

また、すごい点は他にもあって、

洋服を着ている状態を

確認したうえで彼とは反対の位置に

座る人に酒を注いで、また

彼を見ると、もう脱いでいる。

 

その間、わずか2秒くらいだ。

 

つまり彼はどこでも脱ぐし

誰よりも早く脱ぐ。

 

洋服を買う基準が

『脱ぎやすい服』

なんじゃないかと思える。

 

そして最後に最もすごいのが

大事な部分は隠すという点だ。

 

そのあたりの礼儀は心得ている。

 

いや、そもそも人前で脱ぐ時点で

礼儀知らずではあるのだが、

それでも最低限の境界線のような

そんな線引きが彼の中に

あるのだろう。

 

そして衛生面でも彼は

一味違う。

 

たとえ自分のモノであっても

それはあまり清潔でない。

だから、彼は素手で触ることは

一切しない。

まあ、恥ずかしいというのも

あるらしい。

 

は?そこまで脱いでて?

 

なので彼は、おしぼりや、

脱いだ服などで隠すのだ。

 

そしてついに彼が限界に挑戦した。

 

灰皿だ。

 

直径10センチほどの灰皿で

隠してみたところ

綺麗に隠れた。

 

まだ、いけるぞ!

 

おしぼりの封を切ってないやつ。

それはどうだ?

 

はい、やってみます。

 

彼はおしぼりを縦に持ち

自分のモノの前にあてがう。

 

周囲からは感嘆の声が漏れる。

 

 

『おおお!隠れたなぁ。』

 

さあ、次は横に挑戦だ!

 

おしぼりをゆっくりと横にする。

 

案の定、無駄毛にまみれた

彼のモノが見えた。

 

『あはは、流石にこれだと

隠れませんね!』

 

 

一体、彼はどこまで見えたら

恥ずかしいのだろう?

 

ミカミ

 

合掌

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