FISH STORY


fishstory

僕の孤独が魚だとしたら

そのあまりの巨大さと獰猛さに

鯨さえ逃げ出すに違いない

 

【Fish Story】

釣りをした人が釣果を話すときに

実際より大きな魚を釣ったと

話すことから『ほら話』という意味。

 

ロシアでは釣りの話をするときは

両手を縛っておけということわざがある。

 

さて、私は魚釣りはしないのだが

私の話していることのほとんどが

この fish story だと思ってもらってよい。

 

例えばこんな話だ。

 

先日、外出中に信号待ちしている

私に女性が話しかけてきた。

私は知人の子供と自分の子供の

あわせて7人も小さな子を連れていた。

子供達はとたんに騒ぎ出した。

 

『なん?なん?お姉ちゃん!
テレビ?ラジオ?』

 

お姉さんは冷静に私に向かい

 

『小さなお子さんをお持ちの

親御さんにアンケートをとってます。』

 

と静かにそう言った。

お時間よろしいですか?とも。

 

私は快諾し身構えた。

さあこい。どんな質問だ?

 

『夏休みの自由研究は

何をしましたか?そして

親御さんはそれを手伝いましたか?』

 

私は少し考えてこう答えた。

 

『自由研究とは題材が自由だという

説明がなかったので、自由そのものを

研究するように子供に指示した。

そして私はこうも付け加えた。』

 

『何もしない自由もある、とね。』

 

したり顔をする私を怪訝そうに

見つめた女性は

『ありがとうございました。』

とそそくさと立ち去った。

 

サンコウニナリマシタカ?

 

合掌

 

このFISHSTORYと同名小説が

伊坂幸太郎の作品にあります。

お時間のある方は是非ご購読ください。

 

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