42発目 あやまるタイミングの話。


舞台IMG_1606
2012.05.17

半感応信号というのがある。
上のほうにセンサーがついていて、その下に車が
来ると、感知して信号が変わるという仕組みだ。
歩行者はボタンを押して信号が変わるのを待つ。
それの自動車版と思えば簡単だ。

この半感応信号というのが結構やっかいな代物で
昼間だと、感知したのかどうかが判別しにくい。
ましてなかなか信号が変わらなかったりすると
降りていって歩行者用のボタンを押そうとするのだが
そうすると信号がペカペカしだしたりする。

最近は、慣れたもので『どうせ急ぐ旅じゃなし』と
延々待ち続ける。待ち焦がれると言っても良い。

今日もその信号が変わるのを待っていた。
しかし今日は退屈しなかった。
歩道で年配の男女が、なにやら口論しているのだ。

ほとんどが騒音にかき消されて聞き取れなかったが
女性のほうがはっきりとこう言った。

『大体さっきからあんた、ずっとチャックが開いとるんよ』

男性はとっさに自分の股間を見下ろし

『おお、ごめんごめん』と。

その謝罪の言葉ですんなり口論が治まった。

男女の傍らで散歩途中の犬が、やっと終わったか
という感じでたたずんでいた。

アイムソーリー

合掌

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