279発目 最後に突っ込んだ話。



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ライナーノーツ





新千歳発仙台行の飛行機は満席だった。

 

使用される機体は小さなもので

路線バスよりも狭い。

 

前から6番目、右の窓側が

JALが私に与えた席だった。

 

わずか1時間10分のフライトだが

眠りたかった。

夕べも遅くまで酒を飲んでいたので

10分でもいいから眠りたかった。

 

が、その狭い機体の揺れと

後ろの席のおばさん達のおしゃべりで

結局一睡も出来そうにない。

 

飛行機自体の乗り心地も

さることながらおばさんたちの

おしゃべりが気になってしょうがない。

 

『もごもごもごもご』

『ああ、三國廉太郎さんの息子?』

『もごもごもごもご』

『え?そうなの?』

『もごもごもごもご』

『やだあ、あら、でもホント!』

 

どうやら片方は入れ歯が合ってない

のか?何を言っているか聞きづらい。

にも拘わらず相方はきちんと

聞き分けて返答している。

 

心の声でそっと

「入れ歯ちゃんと入れろや!」

と突っ込む。

 

突っ込んだが、気になる・・・・・

 

このババアは何て言ってるのか、

気になって仕方がない。

 

『もごもごもごもご』

『そうねそうね、佐藤浩市だわ』

『もごもごもごもご』

『仙台で会えるわけないじゃない。』

 

よし、少し想像してみよう。

おそらく、入れ歯のババアが

佐藤浩市のファンなのだろう。

今から行く仙台で会いたいと

言ってるのだろう。

でも相方がそれは無理よと

たしなめている。

 

そりゃそうだ。

私は尚も心の声で突っ込む。

 

「佐藤浩市は仙台にはいない。」

 

『スマップだと誰が好き?』

『もごもごもごもご』

『ええ、意外!』

『もごもごもごもご』

『ああ、あのドラマ観てたのね。』

『もごもごもごもご』

『医者?弁護士じゃなかった?』

『もごもごもごもご』

『やあだ。』

 

ああ、なんか歯痒い。

 

多分、キムタクなんだろ?

私は尚も心の声で突っ込む。

 

「いい年してなんちゅう会話や!」

 

それからもババア達の会話は

絶え間なく続いた。

 

機内アナウンスがあと10分で

仙台空港に着陸すると告げた。

ベルトをお締めください。と。

ババア達は最後の最後まで

おしゃべりを続けていた。

 

CAさんよ。

そのアナウンスの最後に

こう付け加えてくれよ。

『乗務員の合図があるまでは

無駄話はお控えください』

ってさ。

 

ようやく到着したが私の疲労は

ピークだった。

そして若干ではあるが怒りの

ピークも迎えつつあった。

突っ込みたいのに突っ込めない

ストレスは溜まるばかりだ。

 

しかもそんな私の気持ちを

逆なでするように、彼女たちは

私の後ろの席であるにもかかわらず

私より先に降りようとした。

 

まあ、いい。

落ち着けサトル。

これくらいの事で腹を立ててたら

キリがないぞ。

 

前方の出口付近では美人のCAさんが

笑顔で見送ってくれている。

せめてもの安らぎだ。

 

タラップを踏んで空港内へと足を

向けたとき、私のすぐ前方には

先ほどのババア達がまだおしゃべりを

続けていた。

 

『機内って乾燥してるわね。

喉が乾いちゃった。』

 

アホか!

乾燥のせいやあるか!

休まずしゃべったら喉も乾くわ!

 

と、最後の最後で思わず

口に出してしまった。

 

二人は私を振り返り、

気色の悪い虫でも見るように

私をにらみつけた後、

『フン!』

と言って去って行った。

 

心の声って出てしまうのね。

 

ミンナモキヲツケテ

 

合掌



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