237発目 口の悪い男の話3



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ライナーノーツ





『ホント、お前は口が悪いね』

小倉南区の北方にある

ステーキ専門のファミレスにいた。

 

その日も私はコーヒー当番(*1)だった。

(*1)223発目 口の悪い男の話。参照

先ほどからカンは悪口を

ブツブツと言っている。

 

アバという1コ下の男がいた。

彼はカンの家の近くに住んでいて

中学を卒業後、シンナーが

吸いたいと言う理由で塗装屋に

就職した。

純度の高いトルエンは当時

手に入りにくくなっており

アバは職場から持ち帰った

建設用の塗料をその日の気分で

吸っていた。

今日は黄色、明日は赤

といった具合に。

 

私がカンとコーヒーを飲んだ日の

前日に事件は起きたらしい。

 

二人で街にナンパへと繰り出した。

アバはしゅっとした男前だったので

きっとカンはダシに使ったのだろう。

 

好みの女の子を見つけると

『おい、あの子に

声をかけて来い』

と命令したそうだ。

 

しかしいざとなるとアバは

尻込みし、グズグズ言い出した。

『さっきから俺ばっかりやん。

カンも行って来いよ』

 

しかしカンは見た目も

しゃべり方もガラが悪いので

出来ればアバに行ってほしかった。

 

そこでカンがとった行動は

懐柔策だった。

 

『頼む、うまく行ったら

全部オゴルから』

 

アバはそれで気を良くした。

 

『ま、そこまで言うなら

俺に任しとけ。

言っとくけど、今まで

ナンパで失敗したことは

ないんぞ』

と大口をたたいた。

 

しかし、何人声をかけても

誰も見向きもしない。

 

結局、夜の12時を迎え

あきらめて帰ったとのことだ。

 

『まったく、アバのヤツの

役に立たんことっちゃあないね』

 

コーヒーの無料お代わりも

3杯目に突入したころ

カンのアバに対する悪口は

佳境を迎えた。

 

『サトル、俺のがっかり加減が

分かるか?』

『いや、分からん』

『あいつはホント、口ばっかりの

期待はずれ男や』

 

そうこうしていると

その当の本人であるアバが

店の入り口から入ってきた。

口の周りに紺色の塗料が

着いている。

ああ、塗料を吸ってきたのね。

 

『おう、こっちや

こっち来て座れ、コラ!

このボン中!』

 

ちなみにボン中とは

ボンド中毒の略で

シンナーやトルエンを

吸っている人を指す。

 

アバは申し訳なさそうに

近づいてきた。

 

『おう、お前には本当に

がっかりや。

お前のことを明日から

マーライオンって呼ぶことにした。』

 

ほほう。

中々うまいこと言うね。

 

するとアバはこう返してきた。

 

『略してマーくんっち呼んで』

 

ウケイレルンカイ!

 

合掌

 



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