228発目 駅の階段の話。3



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ライナーノーツ




~パソコンのパスワード~

オノウエは出社してきたサイトウに

状況を説明した上で、アラキの

パソコンを閲覧する許可をもらった。

しかしパスワードでロックされている。

オノウエはもう一度サイトウに相談した。

『困ったわね。

ヤマシタさんなら知ってるかも』

サイトウはヤマシタに電話をかけた。

先ほど駅のラーメン屋であったばかり

なのでおそらく事務所にはいないだろうと

携帯電話に直接かけた。

 

~現場は駅の近く~

男たち3人は、現場にいた。

形の良い更地だ。

駅からも徒歩2分と立地も良い。

ここに本社主導でビルを建築する。

ヤマシタにとって大きなプロジェクトに

なる予定だ。

ヤマシタはホリウチに資金計画の

あらましと図面を見せながら

開発案の概要を説明していた。

ふとホリウチがヤマシタから

目をそらしてスズキの方を

見る。

『おい、スズキ、チャック開いてるぞ』

『あらぁ、恥ずかしい!

いつからだろう?』

『東京からじゃねぇの?』

あっはっはっは。

笑いを打ち消すようにヤマシタの

携帯電話が鳴った。

ヤマシタは二人にちょっと失礼と

言い、土地の隅のほうへ行って

電話を受けた。

電話の相手はサイトウだった。

退職したアラキのパソコンが

ロックがかかっていて中を見れない、

とのことだった。

ヤマシタは考えた末に、結論を

出した。

『電話して聞け。』

すると意外な回答が返ってきた。

『実はオノウエがアラキに電話するのが

気色悪くて嫌だと言うんです。

私も嫌ですし。』

何故?と聞くまでもなかった。

退職したアラキはほとんどの女子社員から

気味悪がられていたのはヤマシタも

既知の内容だったし、事実ヤマシタ自身も

ちょっと気色悪いと思っていた。

『わかった。じゃあ、俺がかけてみる』

そう言ってヤマシタは電話を切った。

 

『スズキ君、チャック開いてるとこ悪いけど

この後、ちょっと用事が出来たから

ホリウチさんと俺の車で事務所に

先に帰っててもらえる?

ホリウチさんもいいですか?』

『チャックはもう閉めましたよ。

私は構いませんが。』

『俺もいいよ』

 

ヤマシタは二人に許可をもらい

二人を先に帰すと、その場で

アラキに電話をした。

アラキは意外にもすぐに電話に

出て、久しぶりっス と

ぶっきらぼうな挨拶をしてきた。

 

『ごめんね、退職した後も

追いかけるような真似して

実はさ、君が使ってたパソコンの

パスワードがわからなくて

画面が開けないんだ。

教えてくれないか?』

『ああ、イイッスよ、

アルファベットの大文字でE

次が小文字のr、そして0、数字の

ゼロです。それを3回繰り返します。』

ヤマシタはそれをメモすると

ありがとう、お疲れ様と言って

電話を切った。

すぐにサイトウに折り返し

そのパスワードを伝えると、

サイトウは嫌悪感をむき出しに

こう言った。

『これって数字のゼロじゃなくて

アルファベットのOだったら

エロエロエロじゃないですか !

もう!気持ち悪い!』

なるほど言われるまで気づかなかった。

まあ、とにかくそれで大丈夫だろ?

あとは任せたぞと電話を切る。

 

さて、事務所に戻ろうと

駅のところにまで戻ってくると

階段のところにアラキがいた。

アラキはヤマシタの方に近づき

先ほどはすみませんと前置きして

こう言った。

『あの、パソコン開けました?』

『ああ、多分、大丈夫だったよ

ありがとう。それよりも何でここに

いるの?』

『実はさっき駅でヤマシタさんを

見かけました。知らない人と一緒だった

ので声はかけませんでした。

でもそのあとに電話がかかってきたから

気づいてたんだと思ったらぜんぜん違う

内容の話だったんで・・・』

アラキは話している間もずっと

下を向いていて、声もボソボソと

聞き取りづらい。

『そっか、元気でやってるか?』

そのとき又ヤマシタの携帯電話が

鳴りだした。表示を見ると

オノウエからだった。

『ヤマシタさん、大変です。

すぐに戻ってきてください。』

『いやあ、今、アラキに会ってさ、

どうした?何を興奮してるんだ?』

『え~!アラキがそこにいるんですか?

じゃ、捕まえてください。

絶対逃がしちゃ駄目ですよ』

 

ソシテマタ、ツヅク

合掌



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