220発目 他人に納得させられる話。



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本db




南から入ってきた前線の影響で

夜中から雨が降っている。

こんな日は駅までの道のりも

長く感じる。

出勤途中の人々も、いつもより

いらいらしているのが伝わってくる。

でもそんなときこそ平常心を保とうと

ヤマシタは深呼吸をひとつして

改札をくぐった。

 

札幌市営地下鉄東西線は

まずまずの込み具合だが

不快というほどではない。

むしろ、東京や福岡の通勤ラッシュに

比べると快適な方だろう。

ヤマシタはいつものように

コートのポケットから文庫本を

取り出し読み始める。

つり革につかまっての読書にも

慣れたものでアナウンスを聞かずとも

乗換駅に着いたことが分かる。

大通駅で南北線に乗り換える。

こちらもさほど混雑はしていない。

乗換えから目的の駅までは

二駅なのでヤマシタは手に持っていた

文庫本をポケットにしまう。

駅に着き改札をくぐる。

ここまで家を出てからおよそ20分だ。

通勤時間としては短い方だろう。

階段を上がり地上へと出る。

突風が吹き込んできて顔を

上げることが出来ない。

地上ではやはり冷たい雨が降っていた。

信号が変わるのを待つ間、

周囲の人々はスマホを触っている。

私は周囲に目を配る。

私の後ろに立つおじさんが

携帯電話で誰かと話している。

 

普段だとさほど気にならないことも

この鬱陶しい雨のせいなのか

その、おじさんの電話の声に

ヤマシタはイラついた。

 

電話の内容は分からないが

先ほどからそのおじさんは

『ハンケチ忘れちゃっったんだよ。

んけ。』

『ハンケチだよハンケチ。んけ』

と、語尾に『んけ』を付ける。

口癖なのか?

『んけ』とはどういう意味があるのか?

ヤマシタの不快指数は上昇しだした。

 

生来の人懐こさから、ヤマシタは

知らない人にでも平気で

話しかけるところがある。

意を決したヤマシタは

電話を終えたおじさんに尋ねた。

『んけってなんですか?

方言ですか?』

『え?オレそんなん言ってたか?んけ』

『ほら、今も言いましたよ』

『ああ、言ってるなぁ。

ははは。んけ』

つられてヤマシタも笑う。

不快な雨が上がるような

感覚になる。

隣にいた若いサラリーマンも

笑っている。

私の横にいたもう一人の

サラリーマンが笑いながら

話しかけてきた。

『それよりもハンチの方が

気になりました。

ハンチじゃないんですね?』

 

タシカニ

合掌

 



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